ハワイの意外な”コーヒー”事情

ハワイの意外な”コーヒー”事情

「世界3大コーヒー」とはどの品種のことかご存知ですか?

1つめはアフリカの「キリマンジャロ」、2つめは南米の「ブルーマウンテン」、そしてハワイの「コナ」です。

今回はハワイのコーヒー事情についてちょっとしたお話を。

コナコーヒーの産地・ハワイで飲むコーヒーの味は?

日本で北陸や東北の米どころへ旅すると、白いご飯がとても美味しいですし、港町では新鮮な海の幸をお得に味わえますよね。

その感覚で、ハワイは最高級コーヒーとして知られるコナコーヒーの産地なのだから、さぞかしおいしいコーヒーが飲めるんだろうな…と期待して、初めての朝食でコーヒーを飲むと…。

「ん?」という顔をする人をよく見かけます。

そう、ハワイのコーヒーって、すっごく薄くて香りも弱いんです!

正確には「ハワイのダイナー(ファミリーレストラン)やコンビニで売られているコーヒー」と言った方がいいかもしれません。

~今は無き、wailana coffee house のおかわりコーヒーも薄味でした。~

コナコーヒーは、飲んでみるとすぐ分かりますが、香り高く、それでいて軽やかな酸味とコクがあり、しっかりとした味わいです。

しかし、実際にハワイで手頃な価格帯で飲まれているコーヒーにコナを使っていることはほぼありません(理由は100%ピュアハワイコナは、価格が高いためです。コナ10%程度のコナブレンドであれば、比較的安価で飲むことができます)。

因みに100%コナコーヒーの価格は普通のブレンドコーヒーと比べて2~3倍以上の価格設定になっています。それは、コナコーヒーの生産量が、世界全体の0.1%に満たないため、希少価値の高いコーヒーだからです。生産量が少ない理由は、産地、収穫方法、品質などが厳しく定められているからです。皆様が良くご存じのハワイブランドのLionコーヒーの赤いパッケージのものはコナコーヒーではありません。(当店のお客様もLionコーヒーをコナと思い込んでらっしゃる方が多くおられます。)Lionコーヒーの100%コナはゴールドパッケージのもので、価格も赤に比べると3倍以上しています。

赤いパッケージのLionコーヒー。様々なフレーバーを楽しめます♪♪♪

ABCストアで1ドル台で買えるコーヒーや、アメリカらしいハンバーガーやパンケーキを提供するダイナーでなみなみと注いでくれるコーヒーは、色こそコーヒーですが、味は私たちが知っているのとは全く別物。

粉末のインスタントコーヒーをすごく薄くしたような味……というのが近いかもしれません。

ただし、テイクアウトのカップのサイズは巨大ですし、イートインでも気前よくお替わりを何杯でも注いでくれます。2~3杯飲んだとしても、カフェインの摂りすぎの心配もなさそうです(笑)。

この傾向はアメリカ本土の多くのエリアでも同じで、ハワイのローカルの人々は食事に合わせてたっぷりコーヒーを飲むため、こういうあっさりとした味わいが好まれるようです。

ちょうど、日本の昔ながらの食堂で、番茶がヤカンや急須のままたっぷり出てくるようなイメージなのかもしれません。

ちなみにホテルの部屋にあるコーヒーマシンも、これまでの経験上、アメリカ本土やローカルの人が好む薄めのコーヒーの粉が用意されていることが多い気がします。

~OUTRIGGER WAIKIKI BEACH RESORTホテルのコーヒーセット~

日本で飲むようなドリップコーヒーが味わいたいなら?

日本では、コンビニでも100円台でしっかりしたドリップコーヒーを味わうことができます。

しかし、ハワイでそういった「濃い」コーヒーが飲みたい時は、以前はスターバックスに代表されるシアトル系のコーヒーショップでエスプレッソベースのコーヒーを注文するしかありませんでした。

その後、ホノルル・コーヒー・カンパニーやアイランド・ヴィンテージ・コーヒーなど、ハワイ生まれのコーヒーショップができ、最近はこだわりの豆を焙煎して1杯ずつ丁寧に淹れる「スペシャルティコーヒー」「サードウエーブコーヒー」のショップも増えています。

「ぱっと見てどうなのか分からない」という方は、店名に「〇〇カフェ」「〇〇コーヒー」とあるお店や、店の奥に焙煎機があるお店、店頭でコーヒー豆を販売しているお店などを目印にすると良いです。

上はビーチウォークのハードロックカフェの並び、billsの跡地に2022年11月にオープンした「WESTMAN Cafe + Lounge」。サードウエーブ系のしっかりとしたコーヒーがたっぷり提供され、何度も「お替わりは?」と聞きにきてくれるうえ、飲みきれなかった分は無料でカップに入れてテイクアウトさせてくれるという親切さでした。

もっと単純に見分けるなら、価格がそれなりに高い(5ドル程度~)ものは比較的しっかりとしたドリップコーヒーであることが多いです。

インタマの愛称で知られる「インターナショナル・マーケット・プレイス」の1階にある「コナコーヒー・パーベイヤーズ/Kona Coffee Purveyors | b. patisserie 」は、いつ通りかかっても長蛇の列なので見覚えがある方も多いかもしれません。

名物の黒ゴマ入りクイニーアマンと、オーダーしてから1杯ずつ淹れた香り高いコナコーヒーを持ち帰り、ラナイでゆっくりいただきました。


東京・目黒にあるALOHA LIVINGのカフェでも、本場ハワイ島コナ地区の100%ピュアハワイアンコナコーヒーを味わえます。

ハワイの朝を思い出しながら、パンケーキやアサイーボウル(土日限定)と一緒にぜひお楽しみ下さい。
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