虹 「私のハワイ」

「虹」を見ればまたハワイに来られる。

太平洋のまんなかに浮かぶハワイでは、ときどきスコール(通り雨)に降られますが、すぐに雨は上がり、あとには美しい虹が見られることがよくあります。

ハワイ州は別名レインボーステート(Rainbow State)とも呼ばれるほど、ハワイのシンボルになっている虹。車のナンバーやシェイブアイスなど、ハワイではいたる所で虹のデザインを見かけますよね。

今回はそんな虹にまつわるお話です。

虹とハワイ

ハワイ語で、虹は「Ānuenue(アーヌエヌエまたはアヌエヌエ)」や「ao akua(アオ アクア)」といいます。

アーヌエヌエが目の前に見えている大きくカラフルな虹を意味するのに対し、アオアクアは抽象的に「神聖な虹の光」といったイメージで使われることが多いようです。

ほかにも、短い虹は「ʻōnohi(オーノヒ)」、地面近くの低い虹は「uakoko(ウアココ)」、かすかな薄い虹を「 punakea(プナケア)」など、日本にはないさまざまな虹の呼び方があります。いかにハワイの人たちにとって古代から虹が身近な存在だったのかが伝わってくるようですね。

ハワイでは虹=7色じゃない?

日本で虹といえば7色…と誰もが思いますが、実はハワイで虹は6色で、藍色がありません。

なぜ?と思うかもしれませんが、実は世界の中では7色もある国のほうが珍しく、欧米の絵本もほぼ6色の虹が描かれています。(アフリカでは赤青2色の国もあるとか!)

古代からハワイに住む小人とも妖精ともいわれる「メネフネ」が、雨上がりの灰色の空がさびしいと、赤い鳥の羽やオレンジのイリマの花、バナナ、シダの葉、海の水、女王様のドレスの紫など6つの色を集めてきて、それをカフナ(僧侶・賢者)が空に放ったのが虹のはじまりという昔話もあります。

ハワイの車のナンバープレートを見ても、赤~黄~青の3色のグラデーションのようにも見えますよね。

なお、30年以上親しまれているこのナンバープレートも、そろそろ番号のA~Zが出尽くしてきて、数年後にはデザインが変わるという噂も。次は何になるのかも気になりますが、このレインボー柄を街で見かけなくなるのはちょっと淋しい気もします。

下はハワイのABCストアで買ったお土産のマグネットです。これもよく見ると5色しかないですね(笑)。

ハワイのいろいろな虹

空気のきれいなハワイでは、外側にもう1つアーチができる「ダブルレインボー」にもよく出会えます。

虹は霧や水蒸気などの細かい水滴に太陽の光が反射したものですが、ふつうの虹は反射1回、ダブルレインボーの外側の「副虹」では2回反射しているそうで、よく見ると色の並び順が反転しているんですよ。

人の目ではほとんど見えないそうですが、科学的にはさらにその外に3番目、4番目の虹ができることもあるのだとか。

夜、月の光でぼんやりと浮かぶ虹は「Moon Bow(ムーンボウ)」。

(出典:ハワイ観光局公式ラーニングサイト)
https;//www.aloha-program.com/curriculum/lecture/detail/365)

ナイト・レインボーとも言われ、夜も明るくにぎやかなワイキキではなかなか見られないと思いますが、自然のゆたかな離島では、満月の夜にドライブしたときなどに見られることがあるそうです。一度は出会ってみたいですね。

ハワイの神話や言い伝えに登場する虹

ハワイには虹にまつわる神話やジンクスなどもたくさんあります。

ワイキキから山側へ車で15分ほどの場所にある、緑豊かな住宅街マノア。

ワイキキでオーシャンビューではなく山側の「シティビュー」の部屋に泊まったときは、夜には美しいマノアの街灯りを眺めることができますよね。

ワイキキよりも雨が多いマノアでは虹もよく見られるためか、虹のプリンセス・カハラオプナの神話も残っています。

ただその内容は「うわさを鵜呑みにした嫉妬深い夫から5回も殺された(※守り神のフクロウなどにつど命を助けられています)」といったもので、他にも「月の女神ヒナが働かない夫から逃げるためにムーンボウを渡って月へ帰った」など、ハワイの神話には美しい女神と残念な夫という組み合わせが多いのはなぜでしょうか…(汗)。

滞在中に虹を見ると、またハワイに来ることができる!

ハワイで虹を見たら、それは神々に祝福されている証。ふたたびこの地に戻ってこられるという言い伝えもあります。

どちらかというと雨季にあたる10月~2月頃が虹に出会う確率が多いかもしれませんね。

また、虹は太陽を背にして、太陽→人→水の粒が一列に並んだときに見えるので、太陽が低い位置にある朝や夕方のほうが遭遇しやすいともいえます。

(昼間でも滝壺を上から見下ろしたときなどはこの並びになるので虹が見えます)

なので、ハワイでスコールにあった後や、朝や夕方に散歩に出かけた時は、時々立ち止まって虹を探してみてはどうでしょうか。

最後に、ハワイのことわざには

「Ole Ua, ‘Ole Anuenue(オレ ウア オレ アーヌエヌエ)/No Rain, No Rainbow」

つまり、「雨が降らなければ虹は出ない」というものがあります。

なかなかうまくいかない日々が続いても、だからこそ、その後には美しい虹が出る。

私たちも、ハワイの虹を思い浮かべてがんばりましょう!


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